高校入試・大学入試で使える関係代名詞の攻略①
どうもこんにちは、佐野(@otaku_info_sano)です。
関係代名詞(relative pronoun)は正しく理解すれば、簡単で分かりやすい分野です。この記事を読めば関係代名詞を分かりやすく理解でき、中学英文法の弱点を補充することができると考えています。
ちなみにこの記事の層は中学生~高校生となっています。
まずは関係代名詞の説明の前に、形容詞とは何か復習していきたいと思います。
この場で形容詞は何を修飾するのか答えられる人は2に飛んでも構いません。
関係代名詞の説明をする前に
関係代名詞は形容詞と同じ働きをします。
そのため、関係代名詞を説明する前に、「形容詞とは何か」、次に「現在分詞」について復習していきます。
復習ですが形容詞は名詞を修飾する役割を果たし、現在分詞については動詞を変化させ形容詞を作り出します。
つまり名詞を修飾する役割を果たします。では形容詞が使われている例文を見ていきましょう。
(例文)
1,Makiko wore a beautiful hat to the contest.
※woreはwearの過去形
形容詞のbeautifulはhatを修飾(説明)する役割を果たしています。日本語では美しい帽子となります。
では、動詞を使って形容詞を作る現在分詞について見ていきます。
(例文)
1,I read a really interesting book about history.
今度はinterestという動詞がing形に変化して名詞bookを修飾しているのがわかります。
このように動詞を変化させて形容詞を作ることもできましたね。
では今回学んでいく関係代名詞はどのような文法事項なのでしょうか。
関係代名詞は誤解を恐れずに言えば、文章になりかけの”かたまり”を使って名詞を修飾する役割を果たします。
どういうことなのか、日本語で考えていきましょう。
(例文)
1,これはペンです。
2,これは昨日買ったペンです。
1の例文に「昨日買った」という文章が加わっているのがわかると思います。そして「昨日買った」というのが直後のペンを修飾しています。
英語において、このような文法事項を関係詞と言い、中学英語では関係代名詞として学習することになります。
関係代名詞の使い方・説明
今回の学習のポイントはこちら
- ポイント1、関係代名詞と先行詞の関係
- ポイント2、不完全文になることを理解しよう。何が無くなるのかまで理解しよう。
- ポイント3、目的格の関係代名詞が省略される
今回の関係代名詞の攻略①は以上のポイントを抑えることができれば良いです。
ポイント1
関係代名詞は名詞を修飾する役割をすることは説明した通りです。もう少し分かりやすく言えば、二つの文章を一つにする分野です。ではどのように使うのか、見ていきます。
(例文)
1.I know a boy. He speaks Japanese.
2.I know a boy who speaks Japanese.
1の例文を関係代名詞を使って一文にしたのが2の例文になり、whoの部分を関係代名詞と言います。更に関係代名詞whoが修飾する名詞のことを先行詞といいます。この場合ではboyが先行詞になっています。
関係代名詞には次のwho,which,thatがあります。(便宜上、which,who,thatのみを掲載)
更に、先行詞の種類によって使い方が異なります。
先行詞 | |
人 | who/that |
動物・物 | which/that |
関係代名詞は先行詞が人であればwho,若しくはthatを、動物・物であればwhich、若しくはthatを使います。基本的に中学英語ではthatの使い分けを学習する必要はありませんが、理解促進のために3の関係代名詞の歴史にて説明します。
とりあえず、ここまでの知識ではthatはすべての先行詞に対して利用できるということで問題ありません。
それでは、ウォーミングアップがてら先行詞に応じて関係代名詞を選択する問題をやっていきたいと思います。
[Warm-up]
Q1,This is the car [which/who] had an accident.
Q2,I talked to the boy [which/who] comes from Japan.
Q3,Thank you very much for your e-mail [which/who] was very interesting.
解答
Q1の答えはwhichです。先行詞に注目するとthe carと物にあたりますから、whichを選びましょう。
Q2の答えはwhoです、先行詞はthe boyですから、人ですよね。
Q3はwhich
ポイント2
先行詞に応じて、使う関係代名詞を変えるというのは理解できたと思います。では今回利用した問題の英文を利用して、「不完全文」について理解していきます。
この段階では不完全文なんて言葉が全く分からなくても問題ないので、「ふーん」くらいでついてきてください。
(例文)
1,The car is the car [which had an accident.]
2,I talked to the boy [who comes from Japan.]
3,Thank you very much for your e-mail [which was very interesting.]
関係代名詞を発見したら必ずやってほしい事は関係代名詞のカタマリ(関係代名詞節)をカッコでくくることです。
上記の例文のように[ ]でくるんであげましょう。
では、[ ]内を見てみてください。1の[ ]内はこのようになっています。
[which had an accident.]
この文章、関係代名詞を抜かして考えると何か抜けてますよね。
つまり、この状態で考えてみてください。
[which (had an accident.)]
( )の中にはhad an accident.となっています。どう考えても主語が抜けています。
これを文法用語で不完全文と言います。そして先行詞が主語になっています。
2の例文、3の例文もすべて主語が抜けている不完全文といえます。
更にこういった関係代名詞のことを主格の関係代名詞(subjective case)なんて言います。ただ単に、[]の主語が抜けているという意味です。
主格の関係代名詞なんてわざわざ関係代名詞を種別分けするということは、実はもうひと種類、関係代名詞があります。それは、目的格の関係代名詞(objective case)です。
関係代名詞・文法用語整理
- 形容詞→名詞を修飾する
- 関係代名詞→文章を使って名詞を修飾する
- 先行詞→関係代名詞が修飾する名詞のこと
- 主格の関係代名詞→[ ]内の主語が不足しているパターン
- 目的格の関係代名詞→[ ]内の目的語が不足しているパターン
では、目的格の関係代名詞はどのような関係代名詞を使うのでしょうか。主格と目的格を併せた図を見てください。
先行詞 | 主格 | 目的格 |
人 | who/that | whom/that/(who) |
動物・物 | which/that | which/that |
ご覧の通り、先行詞が動物・物の場合は何ら変わりありませんね。しかし、人の場合は面倒なことになっていると思います。実は正式にはwhom/thatを利用するのですが、使い分けの概念が崩壊し、whoも使われるのです。外交文書や論文などではwhomが見られますが、日常会話ではその使い分けは崩壊し、whoのほうが用いられます(要出典)
高校入試でどちらでも使えるけれど、という内容を教わりますが、中学英語では例文などでもthatを使ってごまかしている文法事項です。
何はともあれ、簡単な問題を解いていきましょう。
(Warm up)
1,I know the women [whom/which ] you met at the restaurant.
2,This is the boy [whom/which] I was talking about.
3,This is the picture [ which/whom] Jim took.
4,This is a girl [whom/which] it is difficult to get to know.
解答
1,whom
2,whom
3,which
4,whom
先行詞によって簡単に分かりますよね。
ただし、この問題ができたから、入試問題に対応できるわけではないのです。皆さんは先ほど主格の関係代名詞でやったように、[ ]を付けていってください。
1,I know the women [whom you met at the restaurant.]
2,This is the boy [whom I was talking about.]
3,This is the picture [which Jim took.]
4,This is a girl [whom it is difficult to get to know.]
さて、[ ]内のどの部分が不足しているのかお分かりでしょうか。勘のいいひとは目的格の関係代名詞ということで気が付いているかもしれませんね。では、確認していきましょう。
1の例文の[ ]内はwhom you met at the restaurant.となっています。you met の直後が少しおかしくないですか。metはmeet(会う)の過去形でmeet 人(目的語)の形をとります。
しかし、人に該当する部分、すなわち目的語がまんま抜けていますよね。そしてその目的語が先行詞となっています。
2の例文はtalking aboutの直後が抜けていて、3の例文はtookの直後、4の例文はget to knowの直後が抜けています。まさしく不完全な文になっていますね。
さて、ここまで目的格の関係代名詞について説明をしてきました。次からは目的格の関係代名詞の省略について説明をしていきます。
ポイント3
実は目的格の関係代名詞は省略することができます。(発音からスペルに移ったことの説明を載せるのかは要検討)ポイントの2で利用した例文の関係詞は実は省略することができます。
(ポイント2の例文の関係代名詞を省略したパターン)
1,I know the women you met at the restaurant.
2,This is the boy I was talking about.
3,This is the picture which Jim took.
4,This is a girl it is difficult to get to know.
文中に名詞+主語+動詞の語順が出てきたら、関係代名詞の省略を発見することができますね。
演習で確認する
著作権的な問題もあるので、類題を作成するまでしばらくお待ちください。
使えそうな例文集
Today is the anniversary of the day we all became a family.
関係代名詞の攻略①はどうだったでしょうか?
関係代名詞の基礎を理解できたでしょうか。できていない場合は、もう一度よく解説を読んで、例文を見てみましょう。
それでもわからない場合はコメント欄で質問をしていただければと思います。
更に、誤字脱字、ミスなどありましたら、遠慮なくお申し付けください。
コメント